2022年3月10日木曜日

痴者の食卓/羅針盤は壊れても 西村賢太

 思わず「なんなんじゃそりゃ!」と思う書名ですね。

誰がこんな本を読みたくなるのでしょうか? あっわたしでした:(;゙゚''ω゚''):


 

出版社 新潮社

主人公は『根が病的レベルの癇癪もち』の北町貫多、同棲相手の「秋恵」に毎回これでもかと暴言と暴力を振るい、反省して謝って又DVを繰り返す、究極のくず男です。
どうも食事中、もしくは前後に食卓でDVのスイッチが入るように見受けられます。

たいがいの男でも、この貫多ほど『くず度』の高い者はそういないだろうと思える(;^ω^)

「秋恵」も貫多からいつもDVを受けているが、貫多が謝ればあっけらかんと許して生活を続けてしまう繰り返しで、かなりのほほんとしたというかズレている性格で、読んでいて何とも歯がゆいい。

なんでこんなクズ男と別れないのか、そうでなければいっそ貫多が寝ている時にでも、仕返しをしないのかとややあきれてしまうのですが。

それにしても、この「秋恵」に対するDVのパターンは、もはや吉本新喜劇の様にお定まりになっていて、笑ってしまいそうで、しかし笑えない(;´・ω・)

西村賢太は今まで、この「秋恵もの」で何冊も本を出して稼いでおられますが、ストックはまだ沢山あるのでしょうか。

秋恵さんなんですが、この本に描かれた時期から1年後くらいには、勤め先のスーパーの同僚と「駆け落ちして」出て行ってしまいます。

こうなるとまた寂しくなるので不思議です。

わたしは、20歳前後の、下宿(アパート)の家賃を踏み倒しつつ、港湾や工場で重労働をしながら怠惰な生活をしていた時の貫多が面白いのですが、西村賢太さんにはこれからもいろんな貫多を登場させてもらいたかったのですが、亡くなられてしまったのが残念。



次も西村賢太作品で『羅針盤は壊れても』、これでもか!:(;゙゚''ω゚''):💧💦。

  
出版社 講談社 

平成18年に初めて西村賢太作品の「暗渠の宿」を読んでから、もう16年になり、最初に読んだ時にこんなに次々と本を出したり、芥川賞を取るなど活躍する「文士」になるとは思わなかったもんです(;´・ω・)

著者紹介に、❝1967年7月12日、東京都江戸川区生れ。中卒。(以下略)❞ と、どの本にもあります。

中卒と言っても、中学校にはいろんな理由で、正味2年くらいしか行かなくて卒業したそうなのですが、学校で勉強しなくても芥川賞を取れる作品を生み出す著者には感嘆の言葉しかありません。


この本の主人公も西村賢太の分身のおなじみ北町貫多です。

父親は性犯罪者として逮捕され両親は離婚、中卒後母親の家を飛び出し、港湾荷役や日雇いのバイトに明け暮れる22歳の主人公で、(大丈夫だ、まだ大丈夫だ)とつぶやいている、クズ度はやや薄められて描かれています。

いわゆる「秋恵もの」で30歳代半ばの貫多が、やっと見つけた秋恵という交際相手との同棲生活を描くもので、いつもの『嫉妬・憤怒・暴力・怠惰・肉欲・反省』というものが、これでもかと表現されています。

羅針盤は壊れてもは、そんな生活の中での、田中英光という私小説家の本の服読と、大正昭和期の藤澤清造の文章との出会いも描写されています。

西村賢太はクズのDV男を描かせたら日本の作家の誰にも負けません(`・ω・´)

主人公は一貫して根っからの怠惰なDV男なのですが、同じような内容の西村賢太の私小説をいくつも読んでいますが飽きません。

でももう新しい作品は読めないのが残念(;´・ω・)

【西村賢太:1967年7月12日~2022年2月5日 享年54歳】



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