今月1日に、『太陽の季節』で第34回芥川賞を受賞した(政治家でもあった)石原慎太郎氏が亡くなりました。
西村賢太氏の『胸中の人 石原慎太郎氏を悼む』という記事が読売新聞に投稿されたのは翌日の2日でした。 https://www.yomiuri.co.jp/culture/20220201-OYT8T50129/
誰が何と言おうと、石原慎太郎氏を敬愛・尊敬していた西村賢太氏だったのだなあ~。
それからわずか3日後の本日午後、ネットニュースを見ていたカミさんが「あんた!芥川賞作家の西村賢太氏が亡くなったって💧」という声に、えっまさか(;´・ω・)💧としばし呆然。
そして私にとっては89歳の石原氏の訃報も衝撃だったが、それよりも、❝とても長生きしそうにない❞と思っていたものの、『私の子供位の年齢』の西村氏の訃報の衝撃を聞く方がはるかに衝撃が大きかった。
作家の訃報で、しばし呆然となったのは、車谷長𠮷氏が亡くなった時以来かもしれません。https://www.teinenritaia.com/2018/02/blog-post_25.html
思い起こせば西村賢太氏を初めて読んだのが『暗渠の宿』で、もう15年も経つんですね。
2007年に第29回野間文芸新人賞を取ったのでなのか、地元の図書館にお勧めでおいてあった、異様な表紙の本をなにげなく手に取ったのが初めてで、読んだときの感想は「なんじゃこりゃ!太宰治よりヤバイヤツカモシレン😂」という感じでしたかね。
(ヤバイヤツはほめ言葉です・・・💧)
下は2018年12月12日に、以前読書感想を書いていたブログに西村賢太氏の感想を投稿したものですが、改めて記載させていただきます。
《知る人は知る、知らない人は知らない? 芥川賞作家・西村賢太の私小説短篇集です。
著者 西村賢太
書名 二度はゆけぬ町の地図
発行 角川文庫
西村賢太(芥川賞)、車谷長吉(直木賞)は賞をとる前から作品を読んでいる作家で、私小説フアンの私としては何とも気になる2人です。
残念ながら車谷長吉は、すでに亡くなっていますが・・・。
西村賢太の作品は、最初に読んだのが2006年で、もう12年ほど前になり、「暗渠の宿」という小説です。
その時は作者と主人公がまさに全く同一人物として認識していて、「この人ホントに危ない人なんじゃないのか?」「こんな人間が良く小説がかけるもんだなあ」と思ってしまったいました。
その後何とも言えない、一見誰でも書けそうな文章に見えるが、誰にも書けない《西村賢太ワールド》に「はまって」しまっていました。
私小説という分野ですが、主人公は作者西村賢太の分身?根っからのDV弱い者いじめ男の北町貫太で「なんだこの小説は、しょうもないな?」などと独り言を言いながらも、読むのが止まらなかったものです。
その他の北町貫多ものも同じパターンで、お約束のクズっぷりでフアンにはたまらなくなってきました。
この本も、《最も知り合いになりたくない男(;゚Д゚)、半端じゃない自堕落・自己中男なのに自分を「僕」というアンバランス、根が哲学者?な、北町貫多の青春篇・短篇集というものです。
フィクション9割、ノンフィクション1割という感じで、ばかすぎて面白すぎて、読むのが止まらないという作品集です。
滞ったアパートの家賃は払わずに夜逃げ。旅の恥はかき捨て。でも二度と同じ町に戻れない。次の町でも同じことになるんだなあと思わせる北町貫多という男。
でもなぜか憎めない北町貫多。
西村賢太の作品は50代のときと70に手が届くときに読んだ感想がちがってくるものですね?
私小説の分野でも、車谷長吉と西村賢太を読むと、太宰治や坂口安吾のような大作家が、ただのお坊ちゃんの様に思えてきます。》
記載は以上です。
最近は本はあまり読まなくなっていたのですが、「もっと読んでおけばよかったなあ~、これから先ももっと西村氏には書いてもらいたかったなあ~」と思ってももう遅い、かなわないものですね。
『秋恵』さんはこの西村氏の訃報を見たかしら・・・❓
なおこのブログにも以前、西村賢太の作品を取り上げた記事を3つほど書いています。
よろしかったらご参照ください。
「西村賢太」を読んだので感想などを(蠕動で渉れ、汚泥の川を)
西村賢太の本を読んだ ほか(芝公園六角堂跡)
西村賢太「夜更けの川に落ち葉は流れて」を読んだ
不摂生を自認していた西村氏、持病の悪化なのかなあ~・・?
詳しいことは今のところわかりませんが、それにしても54歳は若すぎますね?
お疲れさまでした、西村氏の過去作品をもう1度ゆっくり読み返すのも弔いになるのかなと思います。
合掌
『追記』その後の報道では4日夜、タクシーの中で具合が悪くなり、病院に運ばれた時には心臓が止まっていたとのことです。
改めてお悔やみ申し上げます。
ここまで読んでいただきましてありがとうございます。
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