作者 パトリシア・コーンウェル(米 1956~)
訳者 相原真理子
出版 講談社文庫(2003年刊)
黒蠅とは、ネットにのっている辞典によると、『ハエ目クロバエ科のうち、キンバエ類を除いたハエの総称。青黒い光沢がある。(以下略)』とあります。
小説中では、冒頭のとある食卓上と、ポーランドのシュチェチンという都市のとあるホテルの一室でのシーンに出てきます(^^;)
題名も姿もグロテスクではありますね。
パトリシア・コーンウェルの、検屍官ケイ・スカーペッタシリーズは、彼女の代表作品であり、ライフワークと言えるかと思います。
作品は1992年の『検屍官』にはじまり、2018年の『烙印』まで計24作に及びます。(日本での刊行年です)
この作品は、12作目の作品になりますが、一番最初に2.の証拠死体を読んだことから、お気に入りで読み始めて、19作品目まで読んだことになります。(下の太字です)
ケイ・スカーペッタ シリーズの邦題を順に挙げます。
1.検屍官 2.証拠死体 3.遺留品 4.真犯人
5.死体農場 6.私刑 7.死因 8.接触
9.業火 ⒑ 警告 ⒒ 審問 ⒓ 黒蠅
⒔ 痕跡 ⒕ 神の手 ⒖ 異邦人 ⒗ スカーペッタ
⒘スカーペッタ核心 ⒙変死体 ⒚ 血霧 ⒛ 死層
21.儀式 22.標的 23.邪悪 24.烙印
邦題は漢字2文字で内容を的確に表しているものが多いのですが、文字を見るだけでも、サスペンス色の強い犯罪小説ということが分かると思います。
著者は医学関係者ではありませんが、30歳代はじめに犯罪小説を書きたくて、バージニア州リッチモンドの検屍局で、事務的な仕事をしていたと話をしていて、実際4年以上働いて、研究室や検屍局のこまごましたことを、日常生活の一部としてたっぷり吸収したと話しています。
そんなパトリシア・コーンウェルが生み出した、女性検屍官スカーペッタは作品を重ねるとともに魅力を増し、いまだに世界中のフアンを獲得し続けています。
シリーズを通して登場するスカーペッタの協力者
ピート・マリーノ (リッチモンド市警察刑事ほか)
ルーシー・ファリネル (主人公の姪)
ベントン・ウェズリー (主人公の夫)
今回の『黒蠅』は、今までにも登場した、フランス人の死刑囚の『狼男』とその双子の弟との対決です。
今回の主人公のスカーペッタは、今までの人生にいろいろ辛いこともあり、少し覇気がなくなっているようであり、物語もだらだら感がちょっと強く、最後に強引に事件解決してしまうような展開で、不評もあるようですが、わたしは面白く読めました。
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