主人公・村野秋生警部補の1人称「私」で書かれています。
堂場瞬一作品の警察シリーズは、「刑事・鳴沢了」「警視庁失踪課・高城賢吾」「アナザーフェイス」「警視庁追跡捜査係」「刑事の挑戦・一之瀬拓真」などがあり、登場する『刑事』たちの活躍が主題となっています。 わたしが堂場瞬一作品を読み始めたきっかけは、初期の鳴沢了シリーズで、堂場作品の主人公の中でも、協調性がなくストイックでまるでアスリートのような一匹狼的な鳴沢了が、何となくハードボイルの刑事らしく最も好きなキャラクターですね。 そしてこのシリーズの主人公村野は、鳴沢了とは違いストイックさはなく、かなり優しい性格になっています。 この小説の舞台になっているのは警視庁ですが、犯罪被害者支援課課員は警察官ではあるが、刑事ではないところが他のシリーズと違うところです。 この本の冒頭に《警視庁総務部犯罪被害者支援課の仕事は、文字通り被害者やその家族をサポートすることであるーー》と記してあります。 北多摩の団地の交番で警察官が銃撃されて亡くなった。 犯罪被害者支援課にも要請が来る。 銃撃したのは元警察官なのか? 亡くなった警察官の息子の動きが気になる。 更に5年前に世田谷西署で起きた「ある事件」が関係してくるのか。 村野秋生の行動はほぼ『刑事』で、犯罪被害者支援の仕事から逸脱してくるではないか。 そして結末でタイトルの意味が分かる。 456頁の長編なのですが、読みやすく面白くて一気に読み切りました。 ブログランキングに参加しています。 ![]() にほんブログ村 ![]() 人気ブログランキング |
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