2017年6月3日土曜日

「西村賢太」を読んだので感想などを

こんにちは、団塊定年おじさんです。

西村賢太という小説家をご存じですか?
腕白少年みたいな名前ですが,1967年7月生まれで51歳だそうです

2010下半期「苦役列車」で第144回芥川賞を受賞して、当時とても変わった作家として、話題になったりしたので、「名前は知っているが、小説を読んだことはないよ。」という方が多いかと思います。

一昨年、又吉直樹が「火花」で、芥川賞をとった時の凄い状況とは、比べようがないのですが、意外性や違った意味で面白がられたようです。

西村氏は、その後テレビのバラエティー番組にも時々出ているようですが、私はテレビ番組はあまり見ないので、よくわかりません・・。

というわけで、読書感想を書きます。

書名  蠕動(ゼンドウ)で渉れ、汚泥の川を
発行 (株)集英社 2016年7月刊

まず書名(題名)が西村賢太らしいので苦笑(;´・ω・)します。

最初に西村賢太の本を読んだのが「暗渠の宿」で、10年くらい前になります。その時、文庫本の表紙が暗く、凝った題だなと思ったものです。
この時はじめて西村賢太の名前を知りました。

この小説は、西村賢太の分身ともいえる、北町貫多が主人公です。

17歳の主人公が、中卒後仕事を転々として、家賃も払えなくなり(払う気がなく)、やっと見つけたアルバイト先、洋食店で働く話です。

働くうちに店主やその妻、コック、アルバイト同僚との確執が高まって、そのうち自爆という流れです。

北町貫多は根が怠惰で、陰気なペシミストで、粘着質で無計画で小心で、臆病で自己中心的で、嘘つき体質で、ゆがんだ偏屈者で・・・、とこれでもかとネガティブな性格を筆者が挙げています。
そして、特技は家賃滞納⇨ばっくれ?

しかし筆者によれば、根が天性のスタイリストで貴族的ともいいます(;´・ω・) どこがやねん? と突っ込みたくなりますが。

西村の小説は、殆どが北町貫多が主人公の私小説で、上にあげた性格のため、仕事も続かず、他人ともうまく行かず、せっかく見つけた就職口(アルバイト先)も最後はぶち切れて、自分からぶち壊してしまう。

そしてまた金がなくなって、日雇い生活に戻ってしまう繰り返し、という困った兄さんなのですが、これが西村小説の定型になっています。

この繰り返しが西村の真骨頂なので、読者はこれで安心します(。´・ω・)?
この小説も定型通りになっています(-_-;)

確かにゲスでクズで超イタイ主人公ですが、自分もこのような性格が、どこかにあるのではないかと、思うところもあって恐る恐る、西村の小説を愛読することになります。

最後に洋食店を出るときに、以前から気に食わなかったアルバイトに来ている文学部の女子学生に、言葉を吐きます。
「何が、近代文学だよ。馬鹿野郎」
「そんなもん、学校なんかで教わったって何んの意味もねえし、所詮てめえは何物にもなれやしないよ。」 本文より引用

この北町貫多ののせりふは、西村の文学に対する思いなのですね。
決して劣等感の裏返しの言葉ではないのです。
西村の小説はほぼ全部読んでいますが、まだまだ今後も、怖いもの見たさで期待します。

西村賢太の小説はよく2つに分けられます。
20代前半まで位の独身の「貫多もの」、そして30代の秋恵という女性と同棲していたころの「秋恵もの」でこの小説は貫多ものです。

「秋恵もの」の方がDVの要素が多い分、主人公・北町貫多のよりクズ(げす)さが満点ですね(・・;)💦
この西村賢太の小説の主人公のクズさは、読んでみないと伝わらないのが残念です。

しかし北町貫多も年をとり、芥川賞をとって、西村先生のように性格も体形も丸くなって?、お金持ちになっていくのかな?

今日も読んでいただきましてありがとうございます。

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