書名 スケアクロウ 上下巻
著者 マイクル・コナリー
訳者 古沢嘉通
発行 講談社文庫
マイクル・コナリーはアメリカの新聞記者出身の作家で、スティーブン・キング、パトリシア・コーンウエルとならんで、好きな作家であり、著名な作家ですね。
私とほぼ同年代です。年齢以外は全く違うのですが(;´・ω・)
コナリーやコーンウエルの書くような犯罪・推理小説、(ハードボイルド)やキングのモダンホラーといわれるような作品が昔から特に好きです。(o^―^o)
さてこの作品は米国2009年刊、翻訳出版2013年のもので、ロサンジェルス・タイムズ社の中年記者のジャック・マカヴォイが、新聞業界の不況のあおりを受けて、2週間後にリストラされることになります。
この間にロス南部の黒人が多く住む貧困地区で起こった、女性トランク詰めさつ人事件の容疑者の黒人少年が冤罪ではないかと気づきはじめたところから事件が展開します。
マカヴォイはスクープをものにするべく、真犯人に迫っていきます。
”ファーム(農場)を監視するスケアクロウ(案山子)”が題名にもなっていますし、複数のキーワードであり、事件を解決するカギ(キー)にもなっています。
アメリカのスケアクロウ(案山子)は、ユーモラスなのもありますが、不気味なものもありますね?
ネットの画像などを見ると、悪魔やゾンビのようなものも結構あります。
不気味さだけでなく、やがて哀しい案山子の意味が最後にわかります。
この物語の犯人は異常で、頭が良く、冷酷な知能犯です。
主人公のマカヴォイとFBI女性捜査員のレイチェル・ウオリングが犯人を追い詰めるまでに、危機に遭遇しながら二転三転する展開の中で、マカヴォイの人間性やカッコよさが出ています。
一気に最後まで読んでしまいました。
マイクル・コナリーの数多い著作の主人公には、刑事のハリーボッシュ、弁護士のミッキー・ハラー(リンカーン弁護士)、FBI心理分析官(退官後、事件で逝去)のテリー・マッケイレブがいますが、皆さんなかなか個性的で、ロスに行くと本当に居そうな、正義感あふれる人物像に描かれています。
こういったところが読者を惹きつけている所だと思います。
古沢氏の翻訳も素晴らしいのでしょう。
今日も読んでいただきましてありがとうございます。
それではまた。