こんにちは、団塊定年おじさんです。
今日は読書感想文を書きます。
書名 警備員日記
著者 手塚正巳
発行 大田出版 2011年
私が定年まで勤めていた会社の同僚で、55歳くらいの時に仕事のことで会社と少しトラブったのですが、辞めるほどでなかったにもかかわらず退職してしまい、その後警備員になった方がいました。
彼とは在職中は親しくしていました。
その後付き合いはほぼなかったのですが、主に交通整理の警備をやっていて、年中屋外で立ちっぱなしの、なかなか大変な仕事だと思っていました。
そのようなことがあったので、手に取った本の感想を紹介します。
この本は著者の実体験に基づいた小説ですね。
著者の手塚さん(この本の主人公)は、映画関係の仕事を長年やって、映画製作のプロダクションの経営にも携わってきたのだが、業績の悪化や本を書きたいなどの訳で、会社を整理して執筆に専念することにした。
しかし本を完成させるのに何年もかかるため、生活費を稼ぐために2年3か月の警備員生活を送るというものです。
警備員の仕事の内容は、傍目で見ていると単純のようですが、実は頭を使い、技術を要するものだということがよくわかります。
人間関係の軋轢などの、力関係や人間模様もうまく描写されています。
様々な人間が出てきます。「師匠=西崎」、「芝田」、「中島」、「藤堂」、「小池」、「横川」・・・・。
このような人たちが日々、我々の身近な道路や、工事現場で棒や旗をふって、生活の基盤を作る作業を支えてくれていると思うと、工事現場を通るときこの小説を思い出すでしょうね?