2016年11月19日土曜日

パトリシア・コーンウエル 標的 を読みました

こんにちは、団塊定年おじさんです。


「標的」を読んだ感想です。

出版   講談社文庫 上・下巻(2015年12月)
作者   パトリシア・コーンウエル (米)
訳    池田真紀子

パトリシア・コーンウエルはアメリカ、マイアミ出身の女流作家で、推理小説の第一人者といっても過言ではないと思います。
彼女のほとんどの作品が大ベストセラーになっていて、世界中に出版されています。
凄いですね?

この小説は、1990年の「検屍官」から始まった検屍官シリーズの第22作目の作品となります。
このシリーズは全巻、講談社文庫で出版されていて、昨年で25年目になり、毎年ほぼ1作づつ書いていることになります。

私が最初にパトリシア・コーンウエルの小説に接したのが、5年くらい前に18作目を読んだときからでした。
不思議な読み応えのある小説で、これにはまってしまって、この前の作品も読みたくなり、全部で3分の2くらいは読みました。

この、「標的」の主要登場人物は、
ケイ・スカーペッタ   ケンブリッジ法病理学センター局長  
ルーシー・ファリネリ  スカーペッタの姪 大富豪
ビート・マリーノ    ケンブリッジ市警刑事
ベントン・ウエズリー  スカーペッタの夫 FBI勤務


この4人は本当に主要で、それぞれ個性豊かな人物です。
シリーズの最初から登場しています。
当初からは、この4人の役職や勤務先や年齢が変わってきていますが、まあ家族と言っていいと思います。

主人公の、ドクタースカーペッタという人物は、作者にとって職業を持った理想的または、あこがれの知的な女性として描かれているのかと思います。

スカーペッタの自宅近くで発生した事件から始まり、関係者の事件、更に別の事件がおこる・・・・。
これらの事件が1つに集約され、思いがけない犯人が浮かび上がる。そして、事件は解決されるのか?

このシリーズは今回の「標的」も、最初の作品からつながっている設定になっています。
この小説に初めから登場していない人物が、主要人物とのかかわりの中で、まさかの犯人につながっていく?

この「標的」だけを読むと背景などが、ちょっとわかりにくいかもしれません。
前の作品からの流れがあって、これを把握するとよりわかりやすいといえそうです。

推理小説の感想を書くのは、感想文をあまり書かない者にとっては結構難しいですね?
思わぬところでネタバレになってしまうと、申し訳ないので。

私はこの主要な登場人物の中で特に、”50に手が届きそうな年齢で白髪交じりのバーコード頭の刑事”=ピート・マリーノ(検屍官での描写)に存在感を見出しています。
冴えなくてぶっきらぼうの刑事が、それぞれの事件で役割を果たしています。
またスカーペッタとの関係も微妙で面白いです。

映画になった場合を想像すると、ブルース・ウイリスがピッタリの役かな?などと想像をめぐらしています。
ただハードボイルドというわけではありませんが。

この検屍官シリーズは、アメリカのCSIなどの刑事や捜査官もののドラマシリーズに影響を及ぼしたと言われています。
特に犯罪被害者の解剖場面などリアリティのある場面など。
ただ映画化されたのは1作くらいしかないようです。

私にとっては、どちらもエンターテインメントですね。